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「裁量を認める手引き」と「厳格な法律」


東京ジョイポリス遊具転落死


このニュースを始めて聞いた時,詳細な情報を知らなかったため,
「こんな事ってあるのか?」って思った.
当然,この手の遊具で,こういう事故が発生する可能性は0では無いとは思うけど,
少なくとも,公園の回転ジムや,原始的なバンジージャンプとかに比べれば,
事故の発生する可能性は,極めて低く設計されているはずだと思う.
この「ビバ!スカイダイビング」には,自分も乗ったことがあるのだが,
リアルにもっと危険な遊具はいくらでもあるんじゃないかと思った.
それに,この遊具自体かなり最新で,相当の安全対策ノウハウが詰まれているとも思う.


この事故について,記事を読むと,
1. 足が不自由で普段は車椅子で移動している方が,
2. 肥満体のため安全ベルトが締まらない状態だったので,
3. 安全バーのみで乗ったところ,
4. すべり抜けるように落下した
そうである.


このアトラクションは,「中で何が起きるか分からない」という高揚感を
利用するような設計になっていて,外からは何も見えず,実際に乗ってみるまでは
本当に何が起こるのか分からない.つまり,
乗る側は「これは危険だから乗らない」と自己判断する事が出来ないのである.
ジョイポリスには,映像とちょっとした振動だけで楽しませる遊具が沢山あるので,
この遊具も,そういうものの一つかな,と思っても何の不思議も無い.
# 実際自分も,この遊具に乗った時,そう思っていた.


で,この遊具に実際に乗ったことのある人なら分かると思うけど,
ジェットコースターのように足元が囲われている物とは違うので,安全バーだけだと,
角度によっては自分の手の力で自身の体を支えなくてはならないような瞬間がある.
安全ベルトが締まらないほどの体重で,車椅子で握力が低下している
可能性のある(もちろん分からないけど)状態なら,拷問器具と化すると思う.
その恐怖たるや,想像を絶するものだったのでは無いだろうか.
# 念のため言っておくと,きちんとした乗り方なら危険な遊具では無いと思います.
# 想定外の乗り方をすれば,とたんに危険になる可能性があるという意味です.


上でリンクした記事には,力士がジェットコースターへの搭乗を断られた例が載っているが,
今回の件では,搭乗者は何が起きるか分からないので,自己判断ができない.
それ故に,特にこの遊具では,搭乗者がどんなにごねたとしても,
運営側は,厳格に断る義務があると言える.
富士急ハイランドとかに比べると,ジョイポリスは室内遊戯施設のため,
ゲームセンター的な意識があったのでは無いか?と思いたくなる.


普通,人間が初めて危険な行動をとる時は,おっかなびっくりで慎重に行動する.
しかし,何度も危険な行動を繰り返せば,

  • 試行回数が増えるため,事故が起きる可能性は高くなり
  • これまでの経験から,行動は大胆になっていく

これは,人間なら,当たり前の事だ.
だからこそ,人間には「厳格な」ルールが必要な事があると思う.

現場の係員が使っていた手引では、安全ベルトが締まらなかったり、けがなどで安全装置を握れなかったりする客について、「丁重にお断りする」と明記。それでも客が搭乗を希望した場合は、この遊具の責任者に確認し、「利用できるかできないかを判断してください」としていた。

事故が起こってからでは遅い.
どんな事であれ,危険な行動に対して,
人間には,
自分には,
「裁量を認める手引き」では無い,
「厳格な法律」が必要なのだと思う.