mmlがいま一つブレイクできないたった一つの理由

つ[視認性]

きのこる先生の環境 その2

今まで散々語っといてナンですが,まぁmmlって扱いにくいよね,と思う.

  • 1シーケンス1音縛りなので,和声の見通しが凄く悪い
  • 音符の長さによって文字列の長さが変わるわけではないので,韻律の見通しが凄く悪い
  • 音程の高さによって文字列の位置が変わるわけではないので,旋律の見通しが凄く悪い

つまりmmlは,音楽の三大要素全てにおいて視認性の点でピアノロールより圧倒的に劣っている.韻律の見通しが悪いため再生位置ポインタが煩雑になるというデメリットも生じる.
一方,作業性について考えてみる.一般的なピアノロールエディタで音符を置く作業は「音開始位置にポインタ移動(必要に応じて盤面のスクロール)→音終了位置までドラッグ」となるのに対し,mmlは数文字のタイピングで音を表現できるため,mmlの方が作業性は優れていると思われる.また,繰り返しやマクロの点でもmmlの作業性は高い.
で,この2つの中間にあるのが,YAMAHA QYシリーズの操作系だと考えていて,このシリーズがハードウェアシーケンサとして確固たる地位を築いた最大の理由だと思っている.自分は今までQY20→QY300→QY700と使ってきたんだけど,この中でちゃんとしたピアノロールが実装されているのは画面サイズの関係でQY700だけだったりする.でも,その限られたサイズでどの情報を開示するかの取捨選択が非常に巧み.
きのこる先生のmml環境の鍵は,テキストエディタとQYシリーズの操作系の融合にあるのではないかと考えている.