20代で知っておくべきmmlのこと
...なんて何も無い.そもそもmml自体を知っておく必要がぜんぜん無い.タイトル考えんのが面倒になったので,ホッテントリメーカーから適当にタイトル選んだだけ.
mml文法について
今更mmlの骨格を知っておきたいなと思って,この1ヶ月で
のmml文法仕様に目を通した.あと,note.xのを読みたかったんだけど,どうにも見つからなかった.系譜を見ていると結局のところ全てのmmlはN88BASICに帰着するらしい.前回のエントリでMXDRVとN88BASICの二系統と書いたものの,MXDRVはその前身のMUDRVがmucom88を参考に作られていてmucom88はN88BASICが源流なので,結局N88BASICが全ての始祖となる.
で,上記mml全体のメディアンをとると,
- N88BASICのplay文コマンド
- 繰り返し命令
- 絶対クォンタイズ
- タイ,スラー,ポルタメント
- 音色設定(音源依存)
辺りが標準的mmlの骨格になるんじゃないかというのが,今のところの暫定的結論.
音源について
mmlを扱われる音源で大別すると,
の3系統.ただし,音色設定コマンドに関しては裁量範囲が大きいので独自色が強くなる.顕著なのはソフトウェアエンベロープとか.
MIDI系は,出来の良いMIDIシーケンスソフトが沢山ある中あえて後発で出てきているもので,mmlは完全にマイノリティ.そもそも1シーケンス1チャンネルが前提のmmlはMIDIとの相性が悪い.マビノギのようにゲーム内の一要素であったり,さくらのように日本語で打てたり,とキワモノが多い印象.
FM系は,mmlによる音楽が比較的メインストリームだった時代のため,業物データが多数あり,職人も多数生息していると思われる.が,2008年現在Windows上でmmlコンパイラが現役のものは,多分,一つも無い(エミュ/DOS上は除く).つーかFM音源が現役じゃないので当たり前.現役のFM音源=携帯だが,その携帯も近年の高性能化/大メモリ化を背景に,PCM化,ドライバの高性能化が進んでmmlの出番無し.
PSG系は,懐古的な現役の音楽ソフトがメイン.ppmck, tsscp, FlMMLが2008年現在現役のmmlコンパイラ.現代のCPUパワーで昔の音源をエミュレートして過去を懐かしむニーズは常に一定数ある.
きのこる先生・再考
上述二項とは関係ないけど,こうやってmmlを俯瞰してみて思ったこと.
mmlの弱点
- 1シーケンス1チャンネルが前提.
- 統合作製環境が無い.
- 視認性が低い.
mmlの良い点
- テキストベース(軽量,可搬性,インターネットとの親和性,好きな作製環境を選べる等).
- 表記の圧縮率の高さ.それによるビックリ箱要素.
- 「視認性の低さ」からくる職人芸と,それによる承認欲求の充足度の高さ.
「統合作製環境が無い,視認性が低い」は根性である程度カバーできるとしても「1シーケンス1チャンネル」という縛りが,現代の一般的な音源と相性が悪い.この1点において,mmlはチャンネル数が限定される古い音源とのセットが前提となる.古い音源が前提と言うことは懐古的な使用方法がメインとなる.つーかmmlそのものが懐古的だし.
一方,現代でも通用するであろうmmlの利点はテキストベースである事.インターネットとの親和性とマルチプラットホーム性は本来なら非常に強力.また表記の圧縮率の高さについても多言語の追随を許さない.また,承認欲求については,CGM (いわゆるweb2.0) との相性が良い.
以上の点から,mmlが生き残る道は十分に残されていると思う.というかむしろ現代と意外と相性が良くね?とか思ってしまう俺はきっと一生メインストリームには行けないんだろうなと思う.